京まち洛々記

内側から見た京都をご案内

左京区、Homecoming

 左京区を歩くと学生気分に戻ることがある。洛中の町なかと並び、文化的に濃密な地域だからである。左京区といっても、お隣の東山区に近い地域と山間部まで南北に面積が広く、この区だけで大阪市全域よりも広い。この地域は色とりどりだ。叡電が走る地域はえーでんの東なんて古くから住む京都人は言ったりする。その昔、西田幾多郎ら京都学派、京大教授の住まい多くあったそうです。

 学生の頃は別に最寄り駅ではなかったけど、なぜかよく叡電には乗った。(地方から来た友達を案内する為ということもあったけど)一乗寺にある本屋、恵文社は今でも時々いきたくなる。本だけでなく、個性的な雑貨もあり、見ているだけで別世界だ。近くにはカフェもあり、友達と行ったお店もある。この町のカフェでは人は「個」として隠れる事ができるのだ。

 

 京都というのは学問の都という側面もある為、学生が多い。全国から集まる奇人変人を受け入れる寛容なところがこの町にはある。(学生に寛容ではない京都人を忌み嫌うのは私も同じなのです)しかし、見る人によっては寛容というより甘いと思う人もいるかもしれません。私の両親が子供の頃、学生運動が盛んだった時代に京大がある百万遍の路上で学生と機動隊が衝突。投げられたものがお店に飛んでくる為、デモがある度に店を開け閉めしていたそうだ。それでもその店主は「学生さんのやらはることやさかい」と、とくに責めなかったそうです。それほどこの町が学生に寛容だった。なので安全上の問題はあるいにせよ、京大の立て看問題に関する行政の主張には疑問に思うところもあったりします。

 

 話を戻しますと、京都新聞のCMに京都在住のバンドHomecomings(最近では京アニ制作映画「リズと青い鳥」の主題歌を担当)が出演していて、あぁこの町は学生の為にあるんだなとふと思う。京都の大学に進学を考えている人がいたら、ぜひ、左京区の町なかを歩いてほしいと思う。人間も食も面白いものがみつかるかも…?