京まち洛々記

内側から見た京都をご案内

2018年の雑感

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 今年は災害が多く、清水寺で発表された「災」という一文字が全体的にネガティブな1年であったような印象ですが、私は相変わらず地味ながらも生活を送っている。今月、東京、福岡二度の地方出張があり、一番多忙だったが、なんとか乗り切れた。

 

 今年は新しい友人ができた。彼女はフランス人で(仮名何にしようか……?)パリに生まれ育った私と同じ都市の人間である。留学を機に来日し、一時東京に住もうと思ったらしいが、京都に戻ってきた(彼女曰く人が多すぎて空気が汚いから嫌だとのこと)今年は明治150年、パリ&京都友情盟約締結60周年、世界文化自由都市宣言(学校の授業であった。都市は理想を必要とする云々)40周年の年だったからというのはあまり関係ないかもしれませんが、他国の都市の方と交流できるのは中々刺激があるものです。そして彼女の京都評がパリを持ち出しつつもなかなか的を得ている。

「憧れだけで住むと結構違っていて時々うんざりさせられる事があるけど、何故か愛着があって離れられない。それが京都とパリの共通点」だという。

 

 世界文化自由都市宣言を引用するならば、都市とは常に文化を生み出す場所でなければならない。文化遺産と自然景観を保持してきた千年の都であるが、過去の栄光を誇り、すがりつくのではなく、常に新しいエネルギーを生み出し、優れた文化を創造し続ける永久に新しい文化芸術の都でなければならない。明治維新で遷都の詔は発せられなかったものの、事実上帝都の座を失い、伝統と革新の力でモダンシティとして蘇った都市。小さな東京にならずこれから京都という都市が、文化芸術活動を通じて若者、学生が躍動できる場所になってくれればと願う次第。自由で文化的な生活が人生を豊かにする。

 何かあっても、セ・ラ・ヴィ(仏語でこれも人生という意味)なんて思いたいものです。