京まち洛々記

内側から見た京都をご案内

京都と学校と

 今では少なくなりましたが、京都は公立学校において制服を導入してこなかった都市でした。私の両親も中学高校のいずれかで、制服に袖を通したことがなく、中高で制服を着た事がないという人も少なくない。親も教育者側もその存在を認めてこなかった。

 私の卒業した高校も制服を元々は導入しておらず、2000年代に入ってからブレザーの制服を導入しました。制服を導入していない高校は自由な校風である事が多いのですが、これは自主性を重んじる生徒自治の象徴として広がっていったものだったのです。

 

 府立高全日制高校は全て制服導入し今では市立のごく一部しか残っていません。鴨沂高も私が高校生の頃に制服を導入した。制服を導入した高校の多くがかつての自由な校風が失われました。女子ですとスカート丈やメイク、髪を染める、ピアスなんてもってのほか。しかし、校則が厳しいと抜け道を楽しむ子もいる。ナチュラルメイクでバレないように工夫を凝らすなんてまさにそうでした。反対に自由だと最後は画一的になる。制服のない高校や大学では卒業式で女子は羽織袴、男子はスーツとか。

 

 私が小学校に入る前、京都駅で数百人の高校生に遭遇した事がある。みんな大きなバッグをもっていて何をしに行くんだろうと思ったらそれは修学旅行へ行くのだと親から教わった。制服のなかったその当時の学校(どこかは覚えていない)の生徒は思い思いの恰好をして他の地域へ行く。あんたらには負けへんと女子はとびっきりのオシャレをして駅に集合していた。今にして思うと良い光景だなと思い、自分が京都人である事に誇りに思う出来事のひとつでした。

 私の高校の修学旅行は地味なものでしたが…。