京まち洛々記

内側から見た京都をご案内

京都と海、府なのか市なのか

京都には海がない。こんな言い方をすると時々、海あるでしょ?と言われる事がある。

 だから京都市には海がないと言い直さなければいけない時がある。現代的機能をもった都市に文化遺産が多く共存し、周りは自然に囲まれている。百四十万以上の都市を流れる川で鮎釣りができるのも京都ならでは。京都人は海より川に馴染みが強い。

 

 基本的に京都市民には京都府民という意識が極めて薄い。丹後、丹波地方を京都と言われるとどうしても馴染めない。代々京都の町なかに住み続けてきた者は特に。京都市は上京、下京の市街を行政地域として1889年に誕生した。その後、郡部を吸収合併し11の区からなる政令指定都市で府県並みの行財政権を持つ。今でも住民自治の意識がとても強い都市です。江戸時代の日本の三都と呼ばれた京都、大阪、江戸はそれぞれ都市文化、都市生活があり、別格という意識がありそれが府民意識を弱めているのかもしれません。

 プロフィールに京都府出身と書いていても、京都市のどこかで生まれ育った人なんだなという感じで認識することが多い。京都市とその周辺の宇治や亀岡、長岡京はともかく、それ以外で生まれ育った人に会うとなんかレアだなと思ったりもします。さて、海の話に戻すと、京都人は海に密かに憧れをもっている人が多い。昔は丹後や若狭の海に海水浴に出かけるときは泊りがけで行くのも珍しくありませんでした。私自身、海というのは今でも遠い存在なのです。