京まち洛々記

内側から見た京都をご案内

祇園祭と京アニと

f:id:rakutyuhime:20190804220910j:plain

元号が令和に変わって最初&創始1150年となる記念すべき祇園祭

f:id:rakutyuhime:20190804221232j:plain

前祭山鉾巡行は、昨年の猛暑と比べれば幾分かマシな天候で晴れた空の下で無事に行われました。後祭山鉾巡行では鷹山が193年ぶりに復活! 令和最初の山鉾巡行で唐櫃巡行という形で復活し、2022年には本格的に復帰する予定です。時代が合理化ばかりの進む中、京の伝統が本来の形通りに戻りつつあるのはとても嬉しいことです。

 

 

祇園祭の話題を続けたいところですが、どうしてもこの件について触れないわけにはいきません。京都アニメーションに対する卑劣なテロです。

京都の伝統、文化とともに誇るべき京アニの多くのスタッフがこのような理不尽な暴力によって命を奪われた事は筆舌に尽くしがたいものがあります。

 

 私は中二病でも恋がしたいからたまこまーけっと等をリアルタイムで視聴し、涼宮ハルヒの憂鬱けいおんは後追いですが、これも視聴しました。

作品でも地元が登場したりして驚いたものですが、なかでも劇場版の「たまこラブストーリー」は印象に強く残った作品でして、高校時代恋愛をしていた方は特に見てほしい作品。フレンチ映画のエッセンスをちょっと入れて、アニメ映画だけどどこかファッショナブル。

レコード屋「星とピエロ」のマスター(たまこの父,豆大と一緒に高校時代バンドを組んでいた)が渋くて、哲学を語るみたいにたまこに話すシーンを見ると、実際そういう人がこの町にいたりするから、共感できたりする。京アニの人物描写は私の中にもうひとつの違う視点の京都を与える。多義性のある京都は、今でもどこかツンと澄ました表情を隠し持っている。

 

たまこまーけっと」の舞台となった京都市上京区にある出町枡形商店街はそのモデルとなった場所ですが、「変わらずここにいます」という出町枡形商店街のメッセージに私は京都人らしさを感じた。私にも深く浸透する言葉で、代々京都に住み続けてきた人間にとって変わらずここにいる、住まう、暮らすというこの当たり前の京都が何よりも私にとっての至福のひとつだと気づかされたメッセージだった。自分の頭の中、掌にある当たり前の京都に変わらずいたいのだと思う。同時に変わらず居続ける事も今の時代難しい事ではありますが。

 京都人は応仁の乱にはじまり禁門の変明治維新東京奠都,大火や災害と幾つもの危機を乗り越えてきました。

 京アニが不死鳥のごとく復活するのを心から願っております。