京まち洛々記

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2019年紅白を見た違和感

2019年の紅白(といっても半分も見てないですが)を見た違和感。

美空ひばりという私が生まれるとうの昔に亡くなった名歌手をAIで再現したものだという。

 楽曲そのものは決して悪いものとは私は思わないし、あの曲を他の歌手が歌ってもいい作品に仕上がるだろうと思います。確かに技術の進歩で歌声をかなりの高クオリティで再現できているのかもしれませんが、息継ぎの部分はやはり機械的で違和感しか感じず、ゆらぎという部分においても温かみがない。新曲といわれても、AIによる美空ひばりのようなものが歌っているのであって、新曲と言われている事にも違和感を覚えました。ボカロのようなものと解釈もできますが、品位や人の尊厳を感じなかった。故人を想う偲ぶというのはこういうものではないと思うし、こんな事をしてまで視聴率を稼ぎたいと思っているとしたら愚劣極まりない人達という印象を抱きました。

 生前の過去のコンサート映像を見せるのでしたら何の問題もないんでしょうけど。

 

歌舞伎などの世界では芸は一代限りなんていう言葉があります。

その人の研鑽、息遣いがあってこそ、歌や演技というのは成立すると思います。

技術的なものとしては優れているが、人間性という部分ではわたしはどうしても大きな違和感をもってしまう。これ以上はやってはいけない。この領域に足を踏み入れてはいけないという閾値からはみ出してしまっているように思えてなりませんでした。

なかなか怖い時代になってきているのだなと思います。

技術の進歩は高度な犯罪にも利用されやすいので今後法規制はされていくんでしょうけど。

 

 シンプルで心に響く竹内まりやの「いのちの歌」、椎名林檎、LiSAの熱量を感じるパフォーマンスの方が全然感動できる。

 

2020年もマイペースで月1回程度にやっていきます